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消しゴム事件

夏休みに入ったぞ~~と気が緩んだところだった。

午後になってツグミが宿題をする為にドリルと筆記用具を持って私の向かいに座ってから
話し始めた。

「前に八千代台で買って貰った消しゴムね、・・・〇〇クンが勝手に使ってボロボロにされたんだ。」

「へぇ、そりゃザンネン!」

「ちっちゃい方をちょうだいって前に言われて嫌だ!って言ったのに大きい方を勝手に持ってって、ずっと返してくれないから、昨日返せって言ったら"お前のっていう証拠は?”なんて言うんだよ!先生に言ったらやっと返してくれた。でも投げてよこしたんだよ」

最初、あまり真剣に聞いてなかったけれどツグミは喋りながらだんだん思い出して悲しくなってしまったようで鼻の頭を赤くし始めた。(すぐめそめそするんだけどね・・・)

その消しゴム、

お友達が持っていたのを気に入ったらしく、持っていたお友達も快く「どこのなんていうお店にあるよ!」と教えてくれたようでかなり粘ってねだられた。

買ってもらうために宿題を頑張ったりお手伝いをしてそれなりに努力して入手したツグミにとっては思い入れにある消しゴム。

私も、ずいぶん粘られてふだん行かない方のショッピングセンターにわざわざ「消しゴム1個」買いに行かされたので記憶に残っていた。


まぁ、ツグミは管理がちゃんとしてなかったので半分は自業自得だが、

勝手に他の子のものを1週間ほど使って悪びれることなく返そうとせず、挙句の果てに「ぽいっ!」とぶん投げて返すなんて子どもといえども由々しき行動。

これは、受け流してはいかんかも・・・と思い、詳しくツグミに事情聴取してみた。

どうも他の文房具も「貸して!」と気軽に手にした後、粗末に扱ってみたり、別の子の文房具にはいたずら書きをして叱られたこともあるようだ。

ん~~~・・・、そうか。

まだ良し悪しの判断がうまく付けられず、つい自分の好き嫌いで行動してしまうタイプなんだなぁ。
それならば、ぜひこの機会にも学習してもらった方がいいに決まっている。

その子本人にも、絶対必要なことだし、それなりに傷ついたツグミも納得するだろう。



担任の先生は日々一生懸命クラスのやんちゃ坊主の面倒をみている、個別面談の時にもそんな話をしてきたけど、なにかあればパソコンのメールでと言っていたので

早速経緯をメールし、うちとしては

「ごめんなさい」の謝罪と

「消しゴム」の弁償、もしくは代金の支払いを伝えて欲しいと先生にお願いしてみた。


たかが消しゴム1個で目くじら立てて・・・、変な保護者と思われちゃうかしら・・・まぁそんなの関係ねぇ~!でいいや。

ところが先生はちゃんと受け止めてくれてすぐにメールのお返事を下さった。
そして大事なことだから家庭訪問で話をして、対処を検討したいと言ってくださった。


消しゴム1個を取り巻く子どものちょっとした出来事だけれど、

物の小ささに隠れている大事な部分を見落しちゃいけない。


「ごめんなさい」を言うべき時に言わずに終えてしまうことは子供にとって大きなマイナスだ。

いつか、〇〇クンが半分大人ぐらいになって

あの時あんなことしたけど別になんてことなかった、何にも誰にも怒られなかった、大したことではなかったんだ、それぐらいはこれからも出来ちゃうんだ、


なぁ~~んて考えるようになってしまったら


それから常識をもう一度学習するのは大変な事だもの。

学習する機会がなかったとしたらもっと大変なことだもの。
by cowata | 2008-07-20 01:38 | こどもたちのこと